天国の本屋 第5章
いつの間にか寝てしまったんだろう。
起きたら電気も消えていて真っ暗だった。
(・・・寒いな)
見ると窓が開いていた。外では寒い夜空に満月が煌々と光っていた。
「・・・閉めるか。」
そう思ってベットから降りた。
ムギュッ
「いたたたたたた、痛い痛いですよ!」
心臓を鷲掴みにされたかと思うくらいドキッとした。
見ると下には葵が寝ていた。どうやら腕を踏んだらしい。
それより・・・
「何で俺の部屋にいるんだ・・・」
「親父さんがもう部屋ないから上で寝ろって。」
葵は眠たい目と踏まれた腕をさすりながらそう言った。
「・・・親父め。」
「何か?」
「いや何も・・・。」
とりあえず窓を閉め、寒い自分の体をまた布団の中にうずめた。
「次は寝ぼけて踏まないでくださいよ?」
「踏まないよ。おやすみ。」
そうまた早々と夢の世界へ入ろうとした。
何分たったのだろうか。それとも何十分なのだろうか。
結局目がさえてしまい、ただ寝返りをうっていた。
(寝れるわけないだろ・・・)
そう思いながら壁の方向を向き、寝ようと努力した。
下で、ごそごそと何回か聞こえる。
葵も寝返りでもうっているのだろうか。
そう思ったとき、何か寒い感じがした。布団をめくられた感じ。
ドキッとした。
ごそごそと後ろで動く気配、そしてすり寄せてくる体。
彼女が
俺の布団の中に入ってきた。
[to be continued・・・]