桜
一人木の下にいる
ホントは、君が隣にいるはずだった
君と2度目の春になるはずだった
でも君はもういない
この桜の木の下で
お互いの恋が始まってから
僕の心には
君しかうつらなかった
君が全てだった
君がそばにいてくれれば
なんでも乗り越えていけた
そんな君は
この桜が散っていくように
僕から離れていってしまった
遠く遠く
もうふれられないほど遠く
君の最後の言葉が
僕の心に深く響く
”あなたが大好き…だから…もう私の事は忘れて…”
そして彼女は眠った
僕の手を握り
一筋の涙をこぼしながら
つらいなんてもんじゃなかった
この世の全てが消えたようだった
目の前の景色も
ただの灰色の景色でしかなかった
ただ君の笑顔が
心の中で8mmフィルムのように
繰り返し僕に微笑んでくれる
ここに来たらもしかしたら
君に会えるかもしれないと思っていた
たとえ幻影だとしても
今君に会えればどれほど安心できる事だろう
もし…君の声を聞けたら…
そう思ってると風が強くふいた
その桜吹雪に混じった風の音は
どことなく彼女が
僕を励ましてくれているように聞こえた…
”ほら、いつもの優しいあなたのように…笑って…”
と…