ぬくもり




一人でいる時間が最近すごく長く感じる


何年たったんだろう


あの日貴方が違うところに行って


約束してくれた日から





あの日からいろいろ変わった


隣で歩く貴方も


目を合わすと照れてしまう貴方も


今は一人で思い出すこと





いつか迎えに来る


そういって貴方は行ってしまった


私がわからない遠いところへ





その間いろんな人と出会った


付き合ったという人もいた


でもそれは貴方の影を追っていただけだった


貴方の背中じゃなかった


どれだけ怒っても


どれだけ泣いても


私をやさしく包んでくれる腕じゃなかった





そんな貴方が大好きだった


意地悪する貴方が


一緒に笑ってくれる貴方が


なによりも愛しかった


ずっと貴方に甘えていたかった


貴方の腕に抱かれたかった


貴方の声を聞いていたかった





なんでここにいるんだろう


そう


貴方と約束した場所


そういえば本当に小さい時


貴方が初めて好きと言ってくれた場所だった


子供だった貴方が背伸びして






好きだ、結婚してくれ






と言ってくれた場所


たった1歳だけ上だっただけなのに






じゃあ貴方が20歳になったら結婚してあげるね






とお姉さんぶって私が言った場所





その先お互いおっきくなって


当たり前のようにそばにいて


当たり前のように手を繋いで


そんな時間が当たり前だった





今日は貴方の誕生日


20歳の誕生日





そんな昔のことなんて覚えてないと思う


でもこんなに貴方に会いたいから


ただここでぼーっとして過ごす


私の知らない所へ行ってしまう前に


私達の小さい頃に


約束してくれたこの場所で







きっと貴方は来ないと思う


でももしいつもの貴方が来てくれたら


私の知ってる貴方が来てくれたら


私を後ろから


また抱きしめてくれるのかな