窓際
涼しい風が吹いている。
2階の、彼女がいる部屋の窓からだろう。
階段を上る。いつもの、愛しい彼女の部屋に行く階段。
一段一段上がるごとに、未だに僕の心は高鳴る。
彼女と一緒になって、もぅ2年。
1日1日、何事にも変えられない、大切な日々を過ごしてきた。
そんな彼女は窓の前に置いてある椅子に腰掛け、大好きな本を読んでいた。
窓から吹く風に、その黒い長い髪がなびく。
いつものように自分の世界に入ってる彼女を、いつものように手で彼女を目隠しして呼ぶ。
いつもなら笑いながら、僕の方を向いてくれるのにくれるのに、今日はその返事が無かった。
手に少し涙がついた。
どうしたの?っと聞くと、どうやら少し悲しい話の本を読んでいたらしい。
彼女は僕の方を振り向くと、彼女は僕に抱きついた。
抱きしめてほしい。
彼女はそういいながら顔を僕の胸につける。
彼女は僕の名前を呼んで、ずっと一緒にいてくれるよね?っと聞いた。
僕は抱きしめながら、ずっと一緒にいるよ。と彼女の耳元でささやいた。
ずっと一緒にいる。この言葉なんかに、嘘は無い。心からそう誓う。
どんなに苦しい時でも、幸せな時でも、僕がそばに居てあげる。
だから君も、これからも僕のそばにいておくれ。
ずっと・・・ずっと・・・
そう思いながら、僕は彼女に風の吹く窓の前でキスをした。