真紅の少女



自分の手を眺める

それは血に染まる手

しかしそれは見えない

でも確実に、紅く、染まっていくその手

でもそれは私の使命

私の血に流れる運命

そばにいてくれる人

皆のため

そして私自身、そう決めたから

もう元には戻れない

でもそんな私にだって

仲間がいる

そばにいてくれる人たちがいる



相手にしているのは人ではない異形の者

そして私も

月に輝く私の姿は

天使でもなく、悪魔でもなく

それはまるで人の血を貪る吸血鬼に見えるかもしれない

私の手にある真紅の刃に輝く紅い、血のような石のように

紅く染まった私の眼には

戦うしかない

その決心がある

人の形に擬態した、人の血を喰らう異形の者を

狩る為に

たとえそれを狩り尽したとしても

私にはもぅ何も戻らないのかもしれない

でも今は

しなければならない

人々を守るために

そして

自分が存在していくために

そして今日もまた

チェロの鳴る夜になりそうだ…

そう思いながら

また自分の掌を見る

煌々と煌く

満月にかざしながら